2章 概説Ⅱ デジタルフォレンジック
はじめに
この章では、インシデントレスポンスの「封じ込め/復旧」フェーズにおいて重要な位置を占める、デジタルフォレンジックについて学習します。紹介する内容は、デジタルフォレンジックの意義や留意点、証拠保全・解析手法のバリエーションとそれらの実施判断のポイント、調査結果の報告要領などです。
なお、ここで紹介するデジタルフォレンジック調査手法は、サイバー攻撃によるインシデントの発生がほぼ確実となり、侵害を受けたPCやサーバを調査対象として実施するケースにフォーカスしています。
インシデントレスポンスにおけるデジタルフォレンジック調査の目的は、インシデントの発生原因や被害状況を解明し、それをもとに脅威排除やシステムの修復、つまり「封じ込め/復旧」フェーズを完了させることです。また、デジタルフォレンジックの調査結果については、次の「事後対応」フェーズにおける再発防止の検討などで必要不可欠なものです。
デジタルフォレンジックで実施するタスクは、大きく分けると次の3点になります。
- 調査対象となる機器(PC、サーバ等)の確実な証拠保全作業
- 専門的スキルを必要とするデータ解析作業
- 調査結果(インシデント発生原因や被害状況など)の整理・報告書作成
これらのタスクについて、この章の3つの学習テキストでそれぞれ紹介していきます。