1章 概説Ⅰ インシデント初動対応
はじめに
この章では、CDIR-Learningの学習テーマであるインシデントレスポンスについて、用語の解説を始め、その概念、そしていつ発生するか分からないインシデントへの備えとして必要な準備など、この後に続く各章にも共通する基本的知識などを学びます。
また、現実に迫るインシデントの事例をいくつか紹介します。自身の組織で起こり得るインシデントはどのようなものか、それが組織にとってどのようなリスクがあるのか、といったことを考えてみましょう。
さらに、実際に起きたインシデント事例をベースに、インシデントレスポンスのプロセスをステップバイステップで紹介します。インシデントレスポンスのプロセスの流れを把握しましょう。
インシデントレスポンスでは、初動対応がその後のプロセスに大きく影響します。情報セキュリティやデジタルフォレンジックのスキルも必要ですが、インシデントレスポンスで何をすべきかを理解していなければ、精神的な余裕を失ってしまいます。初動対応において、スキルとともに重要なのは、冷静かつ客観的に臨むことです。
初動対応では、予断を排し、重大インシデントから誤検知まで、想定されるさまざまな可能性を列挙し、やるべきことの優先度を決めなければなりません。可能な限り幅広く情報を収集し、関係者やステークホルダーに対して、誤解や予断を招くことがないよう、正確に状況を伝達することも重要です。平素から、インシデント発生時のイメージトレーニングや実践的な演習訓練を実施することが大切でしょう。
まずは、この章でインシデントレスポンスの全体像や実例を学び、冷静に対応するためのポイントを把握しましょう。